僕自身も、美容業界の未来のことを考えているのですが、これからは「美容師とお客様が主役の世界」になっていく予感が有ります。
「中央集権型」から「自律分散型」
その理由としては、世の中が「中央集権型」から「自律分散型」になっているからです。
中央集権型は、真ん中にいる強い力を持つ人の影響で、周りにいる力の弱い人たちが動くという状態です。
この状態では、真ん中の人の鶴の一声で、その世界が大きく変わります。
例えば、サロンオーナーさんの経営方針、ディーラーさんの利害関係、メーカーさんの意向、集客サイトや求人メディアの仕様変更…etc
美容師さんも今や、ディーラーさん主催の講習や美容業界誌の情報よりも、気になる美容師さんのインスタグラムをチェックして情報をキャッチしていますよね。
これも立派な自律分散型の形で、数年前までは考えられなかった世界が広がっています。これほどまでに個人が影響力を持つ時代は、かつてなかったことなんです。
美容業界における自律分散型とは
美容師さん個人が影響力を持ち、美容師さん同士が繋がる時代において、サロンはどうあるべきなのでしょうか?
サロンというくくりの中に美容師さんとお客様がいるのではなく、サロンと美容師とお客様が繋がりあっている状態。これがこれからの時代に、あるべき姿なんじゃないかなぁと思います。
サロン、美容師さん、お客様。それぞれがメリットを享受してみんなが嬉しい世界。三方良し。
サロンはプラットフォーム化していく
なぜそう思うかというと、美容師さんとお客様をサロンの中に抱え込むと、どうしても矛盾が生まれてしまうからです。
典型的な例として美容師さんがサロンを退社するときを考えてみると、美容師さんは自分のお客様だと主張し、サロンオーナーさんは自分たちのお客様だと主張する。
先述の左側の図の状態では、確実にこういったことが起こります。
美容師さんはお客様と直接繋がっているので、当然自分のお客様だと思っているし、サロンオーナーさんは自分のサロンの中にお客様がいるので、当然自分のお客様だと思っている。
このような状況ではそれぞれの主張が噛み合わず、お客様は置いてけぼりになってしまいます。
なので、サロンというくくりの中でそれぞれの主張をぶつけるのではなく、そもそも美容師さんとお客様が繋がり合うことを前提に、サロンの在り方を構築する必要があるのかなと思います。
カッコ良い言い方をすると「サロンのプラットフォーム化」個人間のやりとりの「場」を提供する仕組みのことです。
プラットフォームの大前提は、黒子役に徹すること。
個が力を持つ時代だからこそ、それを制御するのではなく解放すること。プラットフォーマーに求められるのは、個のエンパワーメントです。
サロンのプラットフォーム化とはつまり、美容師さんをエンパワーメントして、その先のお客様もハッピーになる状態。サロンは黒子役に徹し、美容師さんとお客様が主役になる世界です。
大事なことなので、もう一度言います。
「美容師さんとお客様が主役の世界」が一番みんなが幸せなので、それを橋渡しして実現するコミニティー(サロンオーナーと美容師さん)であるべきと思いながら、ビューティーラボ福井支援会を運営しております。
ビューティーラボ福井支援会 会長 小林道生